屋久島は、鹿児島県の大隅半島から南へ約60kmの海上に浮かぶ島です。周囲約132km、面積約504km²で、ほぼ円形をしています。島の90%を山地が占め、九州最高峰の宮之浦岳 (1,936m) をはじめ、1,000mを超える山々が連なることから、「洋上のアルプス」とも呼ばれています。
屋久島は、年間降水量が非常に多く、「ひと月に35日雨が降る」と言われるほどです。この豊富な雨量と、亜熱帯から冷温帯まで変化に富んだ気候が、独特の生態系を生み出しています。特に、樹齢1,000年を超える屋久杉の巨木が立ち並ぶ原生林は、世界自然遺産にも登録されており、世界中の人々を魅了しています。
屋久島は、鹿児島県の南方に位置する島です。住所は、鹿児島県熊毛郡屋久島町です。
屋久島へのアクセスは、飛行機または高速船を利用します。
※屋久島内は、バスやレンタカーで移動することができます。
屋久島の自然は、基本的に24時間楽しむことができます。ただし、一部の施設や観光スポットは、営業時間や休館日が設定されていますので、事前にご確認ください。
屋久島への入島料は無料ですが、一部の施設や観光スポットでは、入場料やガイド料が必要となります。主な観光スポットの料金は以下のとおりです。
屋久島には、世界自然遺産に登録された原生林をはじめ、雄大な自然や美しい景観を楽しむことができる、数多くの見どころがあります。
屋久島を代表する観光スポットといえば、樹齢7,200年以上とも言われる縄文杉です。その巨大な姿は、まさに自然の神秘を感じさせます。縄文杉へは、往復約10時間かかる登山道を歩く必要がありますが、その道のりもまた、屋久島の自然を満喫できる貴重な体験となるでしょう。
縄文杉は、1966年に発見された屋久杉です。当初は、樹齢6,000年以上と推定されていましたが、その後の調査で、7,200年以上である可能性が高いことがわかりました。縄文杉は、屋久島のシンボルであり、多くの人々の憧れの存在です。
「もののけ姫」の舞台となったことでも知られる白谷雲水峡は、苔むした神秘的な森が広がる場所です。屋久杉や照葉樹の森の中を、清流が流れ、幻想的な雰囲気を醸し出しています。遊歩道が整備されており、気軽に散策を楽しむことができます。
白谷雲水峡は、屋久島の西部に位置する渓谷です。標高600~1,050mに位置し、原生林が広がっています。渓谷には、大小様々な滝があり、その美しさは訪れる人々を魅了します。特に、太鼓岩からの眺めは絶景です。
屋久杉の原生林を気軽に散策したい方におすすめなのが、ヤクスギランドです。標高1,000~1,300mに位置し、30分から5時間まで、様々なコースが用意されています。屋久杉の巨木や、清流、苔むした森など、屋久島の自然を満喫することができます。
ヤクスギランドには、屋久杉の巨木がたくさんあります。中でも、「天柱杉」は、高さ30m、幹周り16.1mもある巨大な屋久杉です。また、ヤクスギランドには、屋久杉の切り株を利用した「切り株展望台」があり、そこからヤクスギランドの森を一望することができます。
屋久島は、ほぼ全域が屋久島国立公園に指定されています。国立公園内には、原生林、渓谷、滝、海岸など、多様な自然景観が広がっています。登山、トレッキング、カヌー、シュノーケリングなど、様々なアクティビティを楽しむことができます。
屋久島の西部を走る西部林道は、レンタカーで気軽にドライブを楽しむことができる観光ルートです。林道沿いには、屋久杉の巨木や、渓谷、滝など、見どころがたくさんあります。また、西部林道は、野生動物との遭遇率も高い場所として知られています。
西部林道は、全長約40kmの林道です。途中には、展望台や休憩所が設けられています。西部林道をドライブする際は、野生動物に注意してください。特に、ヤクシカやヤクシマザルは、道路に飛び出してくることがあります。
屋久島は、古くから人々が暮らしていた島です。縄文時代の遺跡や、弥生時代の土器なども発見されており、長い歴史を持っていることがわかります。屋久島は、古代には、「掖玖島」と呼ばれていました。奈良時代には、「益救島」と表記されるようになり、平安時代には、「夜久島」と呼ばれるようになりました。現在の「屋久島」という表記になったのは、江戸時代のことです。
屋久島は、古くから木材の産地として知られていました。特に、屋久杉は、その耐久性の高さから、神社仏閣の建築材として重宝されました。江戸時代には、薩摩藩の支配下に置かれ、屋久杉の伐採が盛んに行われました。しかし、乱伐によって屋久杉が減少したため、明治時代以降は、伐採が制限されるようになりました。
1993年には、屋久島は、白神山地とともに、日本で初めての世界自然遺産に登録されました。屋久島の原生林は、世界的に見ても貴重な自然遺産であり、未来に引き継いでいくべき大切な財産です。
屋久島では、年間を通して様々なイベントが開催されています。主なイベントを紹介します。
※その他にも、屋久島では、様々なイベントが開催されています。詳しくは、屋久島観光協会のホームページなどでご確認ください。
屋久島では、新鮮な魚介類や、地元の食材を使った様々な料理を楽しむことができます。
屋久島近海で獲れたサバを、船上で即座に首を折って血抜きをすることで、鮮度を保ったまま港まで運ぶ「首折れサバ」。その名の通り、サバの首を折ることで、鮮度が落ちるのが早いサバの旨味を閉じ込める、屋久島伝統の技法です。刺身、塩焼き、煮付けなど、様々な料理で味わうことができます。
首折れサバは、屋久島近海で獲れるゴマサバを使用しています。ゴマサバは、真サバに比べて脂が少なく、身が締まっているのが特徴です。首折れサバは、その鮮度の良さから、刺身で食べるのがおすすめです。プリプリとした食感と、サバ本来の旨味を堪能することができます。
屋久島近海で獲れるトビウオは、身が柔らかく、淡白な味わいが特徴です。刺身、唐揚げ、煮付けなど、様々な料理で楽しむことができます。特に、トビウオのすり身を使った「トビウオのすり身揚げ」は、屋久島ならではの郷土料理です。
トビウオは、春から秋にかけて旬を迎えます。屋久島では、トビウオ漁が盛んに行われており、新鮮なトビウオを味わうことができます。トビウオのすり身揚げは、トビウオのすり身に、野菜や豆腐などを混ぜて揚げたもので、ふわふわとした食感が特徴です。
屋久島に生息するヤクシカは、天然記念物に指定されていますが、個体数調整のために捕獲されたシカは、食用として流通しています。ヤクシカの肉は、高タンパク質で低カロリー、鉄分も豊富です。刺身、焼肉、ステーキなど、様々な料理で味わうことができます。
ヤクシカの肉は、クセがなく、柔らかく、 venison のような味わいです。ヤクシカ料理は、屋久島ならではのジビエ料理として、人気を集めています。ただし、ヤクシカは、捕獲数が限られているため、提供している店は限られています。
屋久島で栽培されている屋久島茶は、豊かな自然の中で育まれた、香り高いお茶です。煎茶、玉露、抹茶など、様々な種類があります。屋久島茶は、お土産としても人気です。
屋久島茶は、屋久島の温暖な気候と、豊富な雨量に恵まれて育ちます。そのため、葉肉が厚く、旨味が凝縮されています。屋久島茶は、リラックス効果や、 health benefits も期待できることから、近年注目を集めています。
屋久島では、その他にも、地元の食材を使った様々な料理を楽しむことができます。山菜料理、きのこ料理、そば、うどん、ラーメンなど、バラエティ豊かなグルメが揃っています。屋久島の自然の恵みを味わってみてください。
屋久島には、お土産に最適なものがたくさんあります。自然の恵みを生かした特産品や、工芸品など、様々な商品が販売されています。
屋久杉を使った製品は、屋久島を代表するお土産です。屋久杉は、樹齢1,000年を超える屋久杉の巨木から作られる、貴重な木材です。その美しい木目と、耐久性の高さから、高級木材として知られています。屋久杉を使った製品は、小物から家具まで、様々な種類があります。
屋久杉を使った製品は、どれも一点物です。木目や色合い、形などがそれぞれ異なり、世界に一つだけのオリジナル商品となります。屋久杉製品は、屋久島の自然を感じることができるお土産として、人気があります。
屋久島で栽培されている屋久島茶は、香り高く、お土産に最適です。煎茶、玉露、抹茶など、様々な種類があります。屋久島茶は、リラックス効果や、 health benefits も期待できることから、近年注目を集めています。
屋久島で作られている焼酎は、屋久島の湧き水を使って作られています。屋久島の焼酎は、まろやかで飲みやすいのが特徴です。お土産に、屋久島の焼酎はいかがでしょうか。
屋久島には、三岳酒造という焼酎メーカーがあります。三岳酒造は、屋久島の豊かな自然の中で、伝統的な製法を守りながら、焼酎造りを行っています。三岳酒造の焼酎は、屋久島を代表するお土産として、人気があります。
その他にも、屋久島では、地元の特産品を販売するお店がたくさんあります。黒糖、タンカン、ポンカンなどの農産物や、海産物、民芸品など、お土産に最適なものがたくさんあります。ぜひ、お気に入りの一品を見つけてください。
屋久島には、様々なタイプの宿泊施設があります。ホテル、旅館、民宿、キャンプ場など、自分の好みに合った宿泊施設を選んでください。
屋久島には、リゾートホテルからビジネスホテルまで、様々なタイプのホテルがあります。温泉付きのホテルや、オーシャンビューのホテルなど、様々なニーズに対応しています。
屋久島には、伝統的な日本旅館も数多くあります。畳の部屋でくつろいだり、温泉に浸かったり、日本の文化に触れることができます。
屋久島には、地元の人々が経営する民宿もたくさんあります。家庭的な雰囲気の中で、温かいおもてなしを受けることができます。
屋久島には、キャンプ場もいくつかあります。テントを張って、自然の中で過ごすことができます。星空観察やバーベキューなど、アウトドアを楽しむことができます。
屋久島周辺には、他にも魅力的な観光スポットがあります。
屋久島から高速船で約1時間の場所にある種子島は、鉄砲伝来の地として知られています。種子島宇宙センターもあり、日本の宇宙開発の拠点となっています。
屋久島から飛行機で約1時間の場所にある奄美大島は、美しい海と豊かな自然で知られています。マングローブ原生林や、アマミノクロウサギなど、貴重な動植物が生息しています。
屋久島をより楽しむために、以下のポイントを参考にしてください。
屋久島は、亜熱帯性気候で、年間を通して温暖ですが、山間部では気温が低くなることがあります。服装は、季節や天候に合わせて、調節してください。また、登山やトレッキングをする場合は、動きやすい服装と、歩きやすい靴を着用してください。
屋久島を訪れる際には、以下のものを持っていくと便利です。
屋久島の自然をより深く理解するためには、ガイドツアーに参加するのがおすすめです。ガイドツアーでは、専門ガイドが屋久島の歴史、文化、自然について詳しく解説してくれます。
屋久島は、世界自然遺産であり、貴重な自然が残されている場所です。ゴミを捨てない、植物を採らない、動物を傷つけないなど、マナーを守って楽しみましょう。
屋久島は、世界に誇る貴重な自然遺産です。この美しい自然を未来に残していくためには、私たち一人ひとりの心がけが大切です。自然保護に積極的に取り組み、屋久島の魅力を多くの人々に伝えていきましょう。