高野山 - 1200年の歴史を刻む真言密教の聖地
高野山 - 1200年の歴史を刻む真言密教の聖地

 

和歌山県北東部に位置する高野山は、標高約800mの山上盆地に広がる、真言密教の聖地です。平安時代の弘仁7年(816年)、弘法大師空海によって開かれ、以来1200年以上にわたり、多くの人々の信仰を集めてきました。山内には、117もの寺院が立ち並び、その荘厳な雰囲気は、訪れる人々に深い感動と spiritual な体験を与えてくれます。

 

高野山は、2004年に「紀伊山地の霊場と参詣道」の一部としてユネスコ世界遺産に登録されました。豊かな自然、歴史的な建造物、そして伝統文化が融合した高野山は、まさに日本の spiritual な中心地と言えるでしょう。

 

場所・アクセス

 

高野山は、和歌山県の北東部に位置し、周囲を1,000m級の山々に囲まれた盆地にあります。住所は、和歌山県伊都郡高野町高野山です。

 

アクセス方法

 

高野山へのアクセスは、南海電鉄とバスを乗り継ぐのが一般的です。

 

電車・バス

 

  • 南海電鉄難波駅から特急こうやで極楽橋駅まで約1時間40分、極楽橋駅からケーブルカーで高野山駅まで約5分
  • 高野山駅から南海りんかんバスで各寺院や観光スポットへ

 

 

  • 阪和自動車道橋本ICから国道370号・371号・480号経由で約1時間
  • 京奈和自動車道かつらぎ西ICから国道480号経由で約40分

 

※高野山内は、自家用車の乗り入れが制限されている区域があります。詳しくは、高野町役場ホームページをご確認ください。

 

営業時間・料金

 

高野山は、山全体が寺院の境内であり、基本的に24時間参拝可能です。ただし、各寺院や施設によって拝観時間や休館日が異なりますので、事前にご確認ください。

 

料金

 

高野山への入山料は無料ですが、各寺院や施設の拝観には、拝観料が必要となる場合があります。主な寺院の拝観料は以下のとおりです。

 

  • 壇上伽藍:根本大塔200円、金堂200円、その他諸堂は無料
  • 奥之院:無料
  • 金剛峯寺:大人800円、小人400円

 

※その他、霊宝館、徳川家霊台、豊臣家墓所など、拝観料が必要な施設があります。

 

見どころ

 

高野山には、1200年の歴史を感じさせる寺院や建造物が数多く存在し、見どころ満載です。

 

壇上伽藍(だんじょうがらん)

 

高野山の中心に位置する壇上伽藍は、弘法大師空海が最初に伽藍を建立した場所で、高野山のシンボルとも言える場所です。根本大塔、金堂、御影堂など、多くの重要な堂塔が集まっています。

 

壇上伽藍は、密教の教えを視覚的に表現した立体曼荼羅(まんだら)ともいわれています。曼荼羅とは、仏の世界を絵画で表現したもので、密教では修行に用いられます。壇上伽藍は、建物配置や仏像の配置によって、曼荼羅の世界を表現しているのです。

 

根本大塔

 

高さ48.5mの朱塗りの大塔は、壇上伽藍の中心であり、高野山のシンボルです。内部には、大日如来を中心とした立体曼荼羅が安置されています。密教の世界観を体感できる空間です。

 

根本大塔は、多宝塔と呼ばれる形式の塔です。多宝塔とは、下層が方形、上層が円形という構造を持つ塔で、日本では平安時代後期に多く建てられました。根本大塔は、日本に現存する多宝塔の中でも最大級の規模を誇ります。

 

金堂

 

高野山真言宗の総本堂である金堂は、重要な法要が行われる場所です。現在の建物は、昭和7年(1932年)に再建されたもので、檜皮葺(ひわだぶき)の屋根が美しい堂々たる建物です。ご本尊は薬師如来で、脇侍には日光菩薩、月光菩薩が安置されています。

 

御影堂(みえどう)

 

弘法大師空海が実際に住んでいたとされる御影堂には、大師の肖像画である御影(みえ)が安置されています。現在の建物は、江戸時代初期に再建されたものです。御影堂は、大師信仰の中心地であり、多くの参拝者が訪れます。

 

奥之院

 

弘法大師空海が永遠の瞑想に入っている御廟(ごびょう)がある奥之院は、高野山で最も sacred な場所です。約2kmにわたる参道には、樹齢数百年の杉並木が続き、歴史上の人物や著名人の墓石が20万基以上も立ち並んでいます。静寂な雰囲気の中、歴史と spiritual な空気に触れることができます。

 

奥之院の参道は、一の橋から御廟まで続いています。一の橋を渡ると、そこは聖域であり、飲食や撮影は禁止されています。参道沿いには、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康などの戦国武将の墓石や、企業の慰霊碑など、様々な墓石があります。これらの墓石は、高野山が古くから多くの人々の信仰を集めてきたことを物語っています。

 

弘法大師御廟

 

奥之院の最奥に位置する弘法大師御廟は、大師が今もなお生きて meditation を続けていると信じられている場所です。毎日、朝6時と10時半に、食事を運ぶ「生身供(しょうじんぐ)」という儀式が行われています。御廟の前には、灯籠堂があり、そこには10万基を超える灯籠が献灯されています。灯籠の光が御廟を照らし、神秘的な雰囲気を醸し出しています。

 

金剛峯寺

 

高野山真言宗の総本山である金剛峯寺は、高野山最大の寺院です。豊臣秀吉が建立した本坊は、桃山時代の建築様式を伝える貴重な建物です。襖絵や庭園など、見どころも豊富です。

 

金剛峯寺は、高野山全体の管理運営を行う headquarters でもあります。境内には、広大な庭園や、重要文化財に指定されている襖絵など、見どころがたくさんあります。また、写経体験や阿字観 meditation などの体験プログラムも実施しています。

 

歴史

 

高野山は、平安時代の弘仁7年(816年)、弘法大師空海によって開かれました。空海は、唐に留学して真言密教を学び、帰国後、真言密教の根本道場を建立するために、全国各地を巡りました。そして、高野山を ideal 的な場所として選び、嵯峨天皇からその地を賜りました。

 

空海は、高野山を「八葉蓮華(はちようれんげ)の峰」と呼び、山全体を曼荼羅の世界にしようと考えました。そして、壇上伽藍や奥之院などの伽藍を整備し、真言密教の修行の場として発展させていきました。

 

鎌倉時代には、源頼朝や北条氏などの武家からの帰依を受け、高野山はさらに繁栄しました。室町時代には、応仁の乱などの戦乱に巻き込まれ、一時衰退しましたが、江戸時代に入ると、徳川家康からの庇護を受け、再び繁栄を取り戻しました。

 

明治時代には、神仏分離令によって高野山は大きな打撃を受けましたが、その後、真言宗の headquarters として再出発し、現在に至っています。

 

イベント

 

高野山では、年間を通して様々な行事が行われています。主な行事を紹介します。

 

春季

 

  • 高野山開創1200年祭(4月):弘法大師空海の生誕を祝う祭りで、法要や稚児行列などが行われます。
  • 花まつり(4月8日):釈迦の誕生を祝う仏教行事。金剛峯寺で稚児行列や甘茶かけが行われます。

 

夏季

 

  • 萬燈供養会(8月13日):ろうそく祭りとも呼ばれ、奥之院参道に約10万本のろうそくが灯されます。幻想的な雰囲気の中、先祖供養が行われます。
  • 盂蘭盆会(8月16日):精霊棚を飾り、先祖の霊を迎えて供養する仏教行事。各寺院で法要が行われます。

 

秋季

 

  • 秋季金剛峯寺特別拝観(10月~11月):普段は非公開の金剛峯寺の一部が特別に公開されます。襖絵や庭園などを見学することができます。
  • 紅葉の見頃(11月上旬~中旬):高野山の紅葉は、ブナ、カエデ、イチョウなどが色づき、山全体が美しく染まります。特に、壇上伽藍や奥之院の紅葉は必見です。

 

冬季

 

  • 除夜の鐘(12月31日):金剛峯寺で除夜の鐘が撞かれ、新年を迎えます。一般の方も参加することができます。
  • 修正会(1月1日~3日):新年の始まりに、国家安泰や五穀豊穣を祈願する法要。金剛峯寺で行われます。

 

※その他にも、各寺院で様々な法要や行事が行われています。詳しくは、高野山真言宗総本山金剛峯寺のホームページなどでご確認ください。

 

グルメ

 

高野山では、精進料理をはじめ、地元の食材を使った様々なグルメを楽しむことができます。

 

精進料理

 

精進料理とは、仏教の教えに基づいた vegetarian 料理です。肉や魚を使わずに、野菜、豆腐、こんにゃくなどを使い、素材の味を生かした料理を提供しています。高野山では、多くの宿坊で精進料理を味わうことができます。

 

精進料理は、ただ vegetarian であるだけでなく、食材の組み合わせや調理法にも工夫が凝らされています。五味(甘味、酸味、塩味、苦味、辛味)、五法(生、煮る、焼く、揚げる、蒸す)、五色(白、黒、赤、黄、緑)をバランスよく取り入れることで、見た目も美しく、栄養バランスにも優れた料理を提供しています。

 

胡麻豆腐

 

高野山の名物として知られる胡麻豆腐は、精進料理の代表的な一品です。練り胡麻と葛粉を練り上げて作られる胡麻豆腐は、濃厚な胡麻の風味と、ぷるんとした食感が特徴です。高野山では、多くの精進料理店で胡麻豆腐を味わうことができます。

 

高野山ごまとうふ

 

高野山ごまとうふは、胡麻豆腐をさらに進化させた、高野山独自の精進料理です。胡麻豆腐に、山菜やきのこなどを混ぜ込み、揚げたり、焼いたりすることで、様々なバリエーションが生まれます。高野山ごまとうふは、お土産としても人気です。

 

その他

 

高野山では、精進料理以外にも、地元の食材を使った様々な料理を楽しむことができます。山菜料理、川魚料理、そば、うどん、和菓子など、バラエティ豊かなグルメが揃っています。

 

お土産

 

高野山には、お土産に最適なものがたくさんあります。 spiritual なお土産から、 practical なお土産まで、様々な商品が販売されています。

 

spiritual なお土産

 

  • お守り:交通安全、家内安全、学業成就など、様々な種類のお守りが販売されています。
  • 数珠:仏具店や寺院で、様々な素材や種類の数珠を購入することができます。
  • 仏像:小さな仏像から、本格的な仏像まで、様々な仏像が販売されています。
  • 線香:高野山で手作りされた線香は、香り高く、お土産に最適です。

 

practical なお土産

 

  • 高野山ごまとうふ:高野山の名物であるごまとうふは、お土産としても人気です。
  • 胡麻豆腐:精進料理の代表的な一品である胡麻豆腐は、お土産に最適です。
  • 山菜加工品:高野山で採れた山菜を乾燥させたものや、佃煮にしたものなど、山菜加工品もおすすめです。
  • 和菓子:高野山には、老舗の和菓子店がいくつかあります。お土産に、高野山ならではの和菓子を購入してみてはいかがでしょうか。

 

宿泊施設

 

高野山には、宿坊と呼ばれる寺院に宿泊することができます。宿坊では、精進料理を味わったり、朝のお勤めに参加したり、 meditation を体験したりすることができます。高野山ならではの spiritual な体験ができる宿坊に宿泊してみてはいかがでしょうか。

 

宿坊は、それぞれに歴史や特徴があります。中には、重要文化財に指定されている建物や、庭園が美しい宿坊もあります。また、英語対応可能な宿坊や、 vegetarian メニューに対応している宿坊もあります。自分の好みに合った宿坊を選んでください。

 

主な宿坊

  • 恵光院
  • 総持院
  • 福智院
  • 蓮華定院

 

※その他にも、高野山には多くの宿坊があります。詳しくは、高野山宿坊協会のホームページなどでご確認ください。

 

周辺情報

 

高野山周辺には、他にも魅力的な観光スポットがあります。

 

丹生都比売神社(にうつひめじんじゃ)

 

高野山の麓にある丹生都比売神社は、高野山と深い関わりを持つ神社です。弘法大師空海が高野山を開く際に、この神社の神様から土地を借り受けたという伝説が残っています。本殿は、国宝に指定されています。

 

九度山(くどやま)

 

高野山の麓にある九度山は、真田幸村が蟄居(ちっきょ)していたことで知られています。真田庵、真田ミュージアムなど、真田幸村ゆかりの史跡があります。

 

和歌山城

 

和歌山市にある和歌山城は、徳川御三家の一つである紀州徳川家の居城でした。天守閣からは、和歌山市街地を一望することができます。

 

高野山を楽しむためのポイント

 

高野山をより楽しむために、以下のポイントを参考にしてください。

 

服装

 

高野山は、 sacred な場所であり、寺院や神社を参拝する際には、露出の少ない服装を心がけましょう。また、山間部にあるため、夏でも涼しい日があります。羽織るものを持っていくと便利です。

 

マナー

 

高野山は、聖地であり、多くの人々が祈りを捧げる場所です。静かに参拝し、マナーを守って行動しましょう。写真撮影は、禁止されている場所がありますので、注意してください。

 

宿坊体験

 

高野山を訪れた際には、ぜひ宿坊に宿泊してみてください。精進料理を味わったり、朝のお勤めに参加したり、 meditation を体験したりすることができます。高野山ならではの spiritual な体験ができます。

 

ガイドツアー

 

高野山の歴史や文化をより深く理解するためには、ガイドツアーに参加するのがおすすめです。ガイドツアーでは、専門ガイドが丁寧に解説してくれます。

 

高野山の未来

 

高野山は、1200年の歴史を持つ真言密教の聖地であり、世界遺産でもあります。この貴重な cultural heritage を未来に継承していくためには、私たち一人ひとりの努力が必要です。高野山の自然や文化を守り、多くの人々にその魅力を伝えていきましょう。